「ねぇ、もし世界が終わるなら、最後の日に我愛羅はどうする?」
「なんだ急に」
「いや、なんとなく。この前友達と話してたから」
「……はどうする」
「そうだなあ。とりあえずいろんな人に会いに行く、かな。家族とか友達とか」
「……」
「それから、どうしようか。明日終わるとしたら。 それ以外は特別何もしないかもね。普通の1日として過ごして、終わり」
「……」
「あ、その日は最後に我愛羅のところに来るね。いっしょに夜ごはん食べようよ。私作るから。……うん、そんなもんかな」
「……」

「あのね、私、前テレビで見たんだけど、どこかの古い文明で、二人で寄り添ってる骨が見つかったんだって。その街は突然夜中に起こった火山の噴火で一瞬で埋まっちゃったらしくて。自分たちがもうすぐ死ぬってわかっていなかったのに、そうやって死んじゃったわけじゃない? それってとても素敵だと思うの。死んだあとでもそうやって物質的にでもいっしょにいられたら、すごく嬉しいから」
「……」
「だから、我愛羅の隣で最期を迎えられたら、きっと幸せだね」
「……そうか」
「うん」
「……俺は、」
「……うん」
「会いに行くような家族なども居ないし、仲間はいるが多分会いには行かない。俺だったら、」
「……」
「ただ、お前を待ってる。お前の邪魔はしたくない。だから、例えお前が俺を忘れていても、俺は待っていようと思う」
「……そっか。……ありがとう」

「まぁだがしかし、俺は砂に守られているだろうから死なんだろうが」
「……あ、だったね。我愛羅の隣にいたら死なないのかな」
「どうだろうな」
「そこで、俺が守る、とかなんとか、言わないところが好きだよ」
「ふん」

2010.09.18